年頭にあたって
新年明けましておめでとうございます。
会員の先生方におかれましては、健やかに新年をお迎えになっていることとお慶び申し上げます。
今年が昨年よりも良い年になって欲しいとは誰もが考えていることと思います。
しかし昨年4月、私がこの職に就きましたのはあの東北の大震災直後でした。津波にのみ込まれた地域の惨状は秋山先生の報告にも有りますが戦争でもこれ程までには、と思えるほどでした。その地震と津波の影響で、未だ曾て私たちが経験したことのない原子力発電所のメルトダウンとそれに続く水素爆発、放射性物質の広範囲への飛散。またその結果、電力の不足による大幅な企業の活動抑制、工場の操業停止はこの国の経済にとって致命的なダメージを与えました。
一方でギリシャの財政破綻に端を発した経済危機はヨーロッパ全体へ広がり、その影響が日本へ及ぶことは間違いないでしょう。多額の債務残高を抱えてはいても日本が直ぐにギリシャの様になるとは思えませんが、今後とも保険財政が厳しい状況が続くことは間違いないでしょう。
それでも私たちの医療環境を改善していくことについてモチベーションを上げて行かなくてはなりません。
その為に私は積極的に行政に働きかけを行い、不合理な減点や指導を減らすよう努めて参りました。それと同時に行政と連携して様々な健診事業の充実を図ると共に広く市民への広報を計ることにも力を注いで来ました。
幸い昨年8月には、歯科口腔保健の推進に関し国や地方公共団体等の責務などを定めた「歯科口腔保健法」が制定されたことはこの流れを推進する一筋の光になると思います。
会員の皆様に対しても、私たちが様々な方面から入手した情報、特に保険に関する情報についてはほぼ毎月講習会を開催してお伝えして参りました。その他の理事会や行事予定、或いは一部講演会の内容などもホームページ等で公開することによって出来るだけ沢山、迅速に、タイムリーに提供するよう努めてきました。
今年は法人改革の年となります。25年度より新法人になる訳ですが、私たち執行部と致しましては久留米歯科医師会は県歯に足並みを揃えるつもりでいます。このことと密接に絡んで来ることですが、会務に関しましてはこれまで以上に歳出基準の明確化と透明化を計ることに努めて参ります。更に経常経費の削減と同時に、情報の収集に対しては重点的に配分していきたいと思います。
衛生士専門学校の運営に関しては、学生の募集に当たってはこれまで以上に学校訪問などに力を入れると共に、様々な広告に関しては最も有効な部分に重点を絞っていきたいと思っています。
そして歯科衛生士になりたいと夢を持って入ってきた学生達に対しては、出来るだけ落ちこぼれを出すことの無いよう、愛情を持った指導を行っていく所存です。
またその学生の指導に当たって下さる専任教員の募集についても、会員の皆様のご協力を得ながら、より良い人材の獲得に努めて参ります。
この新しい年が、去年より良い年になりますよう、我々執行部一同、伝統ある久留米歯科医師会のために尽力することを決意しております。是非新たな久留米歯科医師会の創立に向け、会員の皆様一丸となってご協力頂きますようお願い申し上げます。